ブログ

第6話 ウンコと真心を君へ

2015.12.18

小さい頃から父親とはそこまで仲良くなくて

 

 

一緒に出かけたり、深い話をしたりってそんな事も特になく

 

 

反抗期を迎え

 

 

くだらない事で怒り

 


よく喧嘩をしていました。

 


テレビの前立つなとか

 


ドア開けっ放しにすんなとか

 


色々原因はあったんですが

 


その中でも過去最大の喧嘩が

 


『父親の入った後のトイレが臭すぎる』

 


で。

 


今思い返すと、なんてくだらん事なんやって、少し笑ってしまいますが

 


当時は何故かとんでもなく怒りが湧き上がってきたんですね。

 


そんな私も、思春期真っ只中のまま大学生になり

 


父親の前髪も徐々にハゲ上がり

 


たくましかった身体も少しずつ小さくなり

 


あまり喧嘩もしなくなりました。

 


大学はずっとプロレスばっかで家にはほとんど帰らず

 


帰っても寝るだけみたいな

 


そんな学生生活を過ごしてました。

 


社会人になって

 


自由奔放に、全力で遊ぶばっかりをしてた私も

 


社会の荒波に揉まれ

 


仕事への責任も生まれ

 


色々な方から叱咤激励され

 


終日働いて夜遅くに飯食って

 


不摂生で厳しい毎日を過ごし

 


少しずつですが大人になっていったんだと思います。

 


ただ配属が名古屋だったということもあり

 


社会人になってからはほとんど父親に会うこともなくなり

 


月々に少しのお金を家に入れ

 


父親からのお礼の電話で少し話す

 


それくらいのやりとりだけになってました。

 


ある時実家に帰った時

 


そんな父親とお酒を飲むことがありました。

 


2人っきりでお酒を飲む機会なんてもちろんなく

 


”大人になった息子”への憧れの気持ちと

 


”親孝行なんてしたことない父親”への感謝の気持ち

 


もあり

 


お互い張り切って結構飲んだのを覚えています。

 


そんな父親と息子との晩酌もお互い近況を話し合ったりと、ベロベロになって就寝し終わった訳ですが

 


次の日

 


朝目が覚めて

 


トイレに入ったんですね。

 


父親もまだ寝てる時間です。

 


「昨日はよく食ってよく飲んだなぁ」なんて思いながら

 

 

 

気合入れて大きい方だして

 

 


トイレから出ようとした時に

 

 

ふっと

 

 

懐かしい香りが鼻をつくんです。

 

 


子供の頃何度も体験した香り

 

 

子供頃何度も怒った香り

 

 

そう

 

 

 

 

 

 


『父親が入った後のトイレの臭い』

 

 

 

 

 

 

 

 

その時なんですね

 

 

 

気づけば目からスッと涙が

 

 

 


「あぁ、あの臭いはおとんが自分を育てる為に一生懸命働いて出た、そんな臭いなんやな。」

 

 

子供を育てる為に、毎日色んな人に頭を下げ、酒を飲み、夜遅くに飯を食い

 


そして出てきたストレスと不摂生の権化。

 

 

 

社会人になり

 

 


自分が嫌いだった父親の立場に自分がなり

 

 

ウンコをして

 

 

 


初めてわかった父親への感謝。

 


次は俺が、子供に嫌がられ

 

 


「ウンコ臭いんじゃジジイッッ!ウンコした後はセボン入れろって言っとるやろうガァぁぁぁあああ!」

 


って、言われる番やで。

 

 

 

おとん、ありがとう。

 

 

 

今回は、そんな父親への感謝をウンコに気づかされたアスカブログでした。

 

 

 

 


今日の一枚

 


『こんな立派な大人になりました』

56651

コメントを入力してください。

内容に問題なければ、下記の「コメントを書き込む」ボタンを押してください。