ボンばんは、ボンバー奥野です。
書いている時間によってボンにちはだったりボンばんはだったりします。
あ、そうですか。
流行りものが嫌いっていう人いますよね。
通俗的な物を好むのはダセェ、俺はそんな風に思われたくねぇ!だったり散々流行りだなんだって持て囃されているものに今更あと乗りできるか!だったりこんないけ好かない野郎が発信するものなんて俺は断じて認めねぇ!だったり理由は様々だと思います。単純に年代や性別の違いでこれはちょっと理解できないな、と感じるのはまた別でしょうけど。
いずれにしてもそんな風に思ってしまうのは、小っちゃい小っちゃいプライドなんでしょうけど、心情としては理解できなくはないです。
何故なら僕にもちょっとそのきらいがあるから……笑
そしてよく陥りがちなのはコイツなんか認めてたまるか!のやつ。
最近までどうにもこの人は好きじゃない、と思っていたのが米津玄師。
理由はいろいろあるんですがまず受け付けなかったのが、流行ったきっかけがニコニコ動画だということ。
どうせ中高生ネットユーザーからやっすい価値観で神だなんだって祀り上げられたっていういつものアレだろ?こっちゃいい歳した大人だぞ。そんなもん聴いてられるかい、と誰に張っているのかわからない意地で曲を聴くのを避けてきてました。自分も中高生の時分にニコニコ動画にハマってたクチなのに。
メディアでやんやと取り上げられてて名前を聞くだけでイラっとするような時期にあったある日、(なぜか)Wikipediaで米津玄師について調べていたらもともとはボカロPで歌うことすらしていなかったのに、今では自分で歌ってるしなんだったらダンスまで踊っちゃってるし、映像編集も自分でやっちゃってたりなんかして「なんやねん、結局才能ひけらかしたいだけのやつかい」とさらに嫌いになりました。ちょうどその時CMでかかってた「この打上花火の曲誰が歌ってるんか知らんけどええわ~」とか言いながら。ただの妬みでしかないんですけどね。どうもマルチな才能を嫌いになる傾向にあるようです。星野源も同じ理由で嫌いでした。
またある日、Twitterのタイムラインで流れてきた米津玄師が紅白に出るや出ないやみたいな記事に「なんやねん、一端の歌手やねんからはっきりしろや」と煮え切らなさに勝手に憤慨し僕の中での評価は地に落ちました。この頃、無意識に「あの日のフフンフフンフフ~」と鼻歌を歌ってしまうことがたまにあり、その度うわ、やっちゃった、刷り込みって怖えなぁ、とメディアの恐ろしさを感じたりしてました。
と、まぁ、そんな具合であえて言ったりすることはなかったものの、米津玄師嫌いスタンスを貫いてきました。何があっても好きになることはないだろうな、と。そう思っていました。
そんなつい先日、どこだったかの有線で流れてたある曲が妙に耳に残ったんです。
どこかちょっと寂しげな曲調なんですけど、サビの部分は子ども複数人で合唱していて、上手いわけではないけど精一杯さが伝わる声が非常によくマッチしててすごくよいなーと。
前もどこかで聞いて気になっていたんですけど、改めて通しで聞いてこれはyoutubemusicに入れておかねば!と思いすぐ調べ始めました。
歌詞はよく聞き取れなかったんですが、幼い声質からしてアニメの曲で、声優さんがキャラクターの声で歌ってる感じかなーと当たりをつけ、ひたすら検索。有線で流れるくらいだからいかにアニソンといえど調べればすぐ出てくるだろと。
しかしオリコンアニメソングランキングを探せど探せどそれらしき曲は見当たらず。
うーむ。
だいたいこういう時歌詞の一部分でもわかればすぐに見つかるんですけどね。
サビの調子なんかは覚えているのに……。「フフフ~ンフ♪」で始まるやつ……なのに、肝心の歌詞はまったくなんて歌っていたのかわからず。4文字なのはわかってるんですけどね。おそらくこれかな?っていうのも思い浮かばないのは普段全然口にすることない耳なじみもない単語だからなのでしょう。
それでもなんとか曲が終わる寸前の歌詞が「この指とまれー」だったことをなんとか思い出し
「この指とまれ 歌詞 アニソン」
で検索するもヒットせず。
もしかしてこれアニメの曲じゃないんじゃないの?
と、ちょっとまた探すのに骨は折れるかもしれないけどランキングを邦楽全般に切り替えてランキングを上から順に見ていったら、ある曲名の後に気になる注釈が。
「NHK みんなのうた 8-9月のうた」
脳に電気が走りました。
あれ本物の子どもが歌ってるんじゃないか?
よくよく考えれば全然声優の声じゃない!これだ!
改めて曲名を見ると「パプリカ」と書いてある。
あ、なるほど!サビは「パプリ~カ♪」ね!これね!
とすべて合点がいったところで違和感に気づく。
あれ、これもネットニュースかなんかで見たぞ……。
この曲作ったのって確か……。
詳細を読み進めるとそこには
「作 詞 ・ 作 曲 / 米 津 玄 師 」
……。
いやでもね、気づいてましたよ。
知らず知らずのうちにいい曲だなーと思っていたことも。
インタビューもまあまあ読んだりしてましたけど、悪い人じゃなさそうだなーと思っていたことも。
元から別に嫌う理由なんてないんですよ。
ここまで世間的に支持されてるのなんて作ってるものが素晴らしいからに他ならないじゃない。
誰に示すわけでもない自分の中だけの小さなプライドやつまらない意地のせいで良いものから遠ざかってしまうのって勿体なさ過ぎますよね。
めちゃめちゃいい曲です、どれも。
因みに星野源のエッセイは今まで4冊買って読みました。どれも面白いです。もちろん曲も最高。
なんでも食わず嫌いってよくないよねって話です。
それでは。
画像は特にないです。