お疲れさまです。
人知れず左肩を脱臼してから1周年を迎えました。
ボンバー奥野です。
そう。ちょいちょいどこかでも言っていたと思うんですけど、ちょうど一年前の道場マッチで左肩を脱臼していたんです。
場外の相手にスライディングキックをかました時に左手をマットについたら
「バキッ」だか「ガンッ」だか一瞬で「あ、これやっちゃったわ」ってわかるような音が聞こえて、そこからは辛うじて肩は上がるけど力も入らないし、まったくコントロールが効かない状態。痛いのか痛くないのかも正直わからない。ただ物凄く熱を持ってて、それなのに身体は完全に血の気が引いて体温が下がってるのがわかってその感覚がすごく気持ち悪かったことだけ覚えてる。
試合を止めることだけはしたくなかったし、場面的にはチャンスだったから出来る技で攻め立てたけど、結果としてはそんな状態ではどうにもならず丸め込まれて敗戦。
負けたことはともかく、とりあえず試合を終えられた安堵感の後すぐに相変わらず肩が上がらない恐怖感が襲ってきた。
とりあえずリングから下りて、ちゃんと見てみると明らかに肩がいつもの形と違ってた。筋肉とか骨の盛り上がりが違う場所にズレていた。
こんな怪我もしたことがなかったから「あー、これが『肩が外れる』ってやつね」って妙に納得したのを覚えてる。
納得したところで自分ではどうしようもできないので、応急処置だったり病院の手配に関して周りのみんなに動いてもらうことに。
肩が外れるっていうのは所謂脱臼のことなんですけど、みんなが口々に言っていたのは
「癖にならなかったら良いけど」
っていうこと。
調べた限りでも脱臼癖に悩まされたレスラーはかなりたくさんいる。
手術でなんとか克服した人もいれば、それが原因になって選手生命が絶たれた人もいる。
それを聞いていたから、みんなが自分のために動いてくれているのをよそに途方に暮れてました。
当時も緊急事態宣言中でしばらく試合はなかったけど、しばらく欠場しないとアカンのかな、とか、そもそもちゃんと試合できるようになるのかな、とか。
これからのことが不安で仕方がなかった。
そうこうしているうちに、まずは外れた肩を入れ直そうってことで冬木さんが急遽来てくれたんですが
「肩入れるの1年ぶりや」
ってことでだいぶ不安だったので、結局冬木さんにはお帰りいただいて病院で入れてもらうことに……。
因みに肩を入れる時も相当な痛みだっていうことらしいんですが、その痛みは麻酔がかかっていたのでわからず。
無事肩を入れてもらってからは1日検査入院。
そして退院してから2週間装具を付けての生活、それが終わったらリハビリ。
リハビリしてた頃のことは正直あまり覚えていない。
動きに制限はあるけど、痛みもなかったし、幸か不幸か興行も再開していなかったので変に焦ることはなかった。
で、そろそろ元通りに動かしていっていいだろうとなった頃に再開。
正直、だいぶ不安だったし、大事を取って欠場にしても良かったけどそれこそ今後の焦りに繋がってきそうだったからとにかく出ようと。
まさかそんなコンディションで初めて有料興行のメインに出ることになるとは思っていなかったけど笑
試合も、どこかで「また外れるんじゃないか」っていう不安感はあったけど、それはそれってことで開き直ったら案外動けるものだった。
そしてそんな不安が付きまとっていたのも、それから1,2か月くらい。
身体の中身のことはわからないけど、少なくとも痛みも違和感もなくなった今は、ただただ運が良かったことに感謝するばかり。
ちょろっとだけ触れる程度の内容にするつもりが長々とした内容になってしまった。
それだけやっぱり自分の中では大きい出来事だったということなんだろうけど……。
リハビリ始めた頃には「絶対戻ってやる!」っていう気持ちになっていたけど
「もしかして、これで終わり?」っていう恐怖はあの時ずっとあった。
この脱臼以外にもそれがよぎった瞬間も正直何回かはある。
だからこそ、「いつ終わってしまっても構わない」と思えるぐらいもっとプロレスに向き合わないといけない。
だからって無茶をしまくるっていう意味でも決してなく。
自分が納得できるまでプロレスをまっとう出来たらそれほど良いことはないだろうし。
っていうことを1年前のことを振り返りながら思いました。
とりあえずスライディングキックは少年野球での教えどおり両手を上げるよう気を付けます。
それでは。