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オヤジの口からグングニル

2020.05.13
マロ栗山

只今実家に向かい、JRにて帰宅の最中であるが、暑い。暑すぎる。気分を害したわい。夏場JRの車内は、クレイジーと言わんばかりに冷房をガンガンに効かせているイメージがあったのだが、先日まで北の大地でサミットが敢行されていたからかどうかは知らんが、地球温暖化に考慮してか冷房が全然効いていない。しかもJRは先週、大阪駅にて軟弱な酔客がホームにド派手に嘔吐を敢行するという惨劇を見せ付けられたいわくつきの鉄道である。重ねがさね気分を害させてくれるとプチ憤慨していると、また隣に鎮座していたオヤジがやってくれた。
とっとと到着してくれと、必死に灼熱地獄と化した車内にてロンリーバトルを繰り広げる私の隣から、地鳴りのような唸り声が・・・・・・。

 

 

 

 

 

「ヴォええェェェェーーーーーッ・・・・・・。」

 

 

 

 


続けざまにもう一撃、

 

 

 

 

 


「ブゥヴォォェェェェーーーーッッ。」

 

 

 

 


まさかこのオッサン、この閉塞感でいっぱいの箱の中で産み落とすつもりではなかろうか。私だけでなく辺りに戦慄が走る。見ればオッサンは既に堕ちており、意識があるかどうかもわからん、所謂酩酊状態。自らの意思でこのファイナルウェポンを止める術はなさそう。そうこうする間に、隣からは三度目の地鳴りが。オッサンの意識は無いが、その吐瀉物を噴出するソーラレイは、確実に真下、床を向いてロックオン完了。先程の唸り声はチャージ完了の合図か。もはや一刻の猶予も無い。昼間暇潰しに読んだ文献に出た北欧の神々の闘いをふと思い出した。これがラグナロクと言われる終末思想の現代版なのか。オッサンは最高神オーディンの化身か。ロキやフェンリルはどうした。私の頭の中で壮大なストーリーが独り歩きする。
文献によると、オーディンの持つ魔槍グングニルは、必ず命中するとの事。オッサンの口から出るグングニルを命中させられてはたまらんと、つい尼崎で電車を飛び出してしまった。おかげで帰宅が遅れ気分を害したわい。しかし最近本当、はしたない言葉で言うとゲロに縁があり困る。とりあえず飲んでも吐くんじゃない。気分を害したわい。

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